Movable Typeのアップグレードは、セキュリティ脆弱性への対応や長期的な運用リスク防止などに欠かせない作業です。

ところが、実際にアップグレードを実行するとなると、テスト環境の構築や検証作業、本番環境への反映と、複数のステップを踏む必要があります。そのため、どのようにアップデートを進めるべきか判断に迷うWeb担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、Movable Typeを安全かつ効率的にアップグレードするための具体的な手順を、段階ごとに解説します。さらに、cherry-pickが提供するMovable Typeソリューションもあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

なぜMovable Typeのアップグレードが必要なのか

Movable Typeのアップグレードを後回しにしていると、気づかないうちにWebサイトのリスクが高まっていることがあります。

ここでは、アップグレードを行うことで得られる主なメリットと、放置することで起こりうるリスクについて解説します。

セキュリティリスクを回避するため

Movable Typeの古いバージョンを使い続ける最大の課題は「脆弱性」です。

サポート終了後はセキュリティ更新が途絶え、不正アクセスや改ざんのリスクが急速に高まります。

特に企業サイトでは、セキュリティの甘さがブランド信頼を損なう要因になりかねません。

最新のサーバー環境との互換性を保つ

Perl、PHP、MySQLのバージョンアップにより、古いMovable Typeが動作しなくなることは珍しくありません。

最新バージョンへのアップグレードは、そうした環境変化への対応策としても効果的です。

特にクラウド環境では、サーバーが定期的に自動更新されるため、CMS側の対応が遅れるとシステムトラブルのリスクが高まります。安定運用を実現するには、システム更新のタイミングに合わせてMovable Typeをアップグレードしておくことが重要です。

運用コストを下げるため

Movable Typeの最新版では、管理画面の操作性向上や処理速度改善が行われており、日々の更新業務の効率化につながります。

「更新に時間がかかる」「操作が重い」と感じるようになったら、それはアップグレードを検討する時期です。業務効率の改善だけでも、Movable Typeをアップグレードする価値は十分あります。

アップグレード前に確認しておきたい3つのポイント

Movable Typeのアップグレードを成功させるためには、いきなり作業に入るのではなく、環境確認と事前準備をきちんと整えることが重要です。

① バージョンとサーバー要件の確認

アップグレード前に、自社サイトの現在のMovable Typeバージョンを確認し、Six Apart社の対応状況をチェックしておきましょう。

次に重要なのは、サーバー環境の互換性確認です。

アップグレード後のバージョンに対応したPerl、PHP、データベース、CPANモジュールが導入されているかを事前に検証しておかないと、アップグレード後にエラーが発生するリスクがあります。

また、サードパーティ製のプラグインや独自プラグインを導入している場合、そのプラグインのアップデートがないか、使用しているCPANモジュールが導入されているか、も確認が必要です。

② バックアップの取得

アップグレード前には、データベース、MT関連ファイル、DocumentRoot配下、をすべてバックアップします。

万が一トラブルが発生しても、このバックアップがあればアップグレード前の状態に戻すことができます。

特にカスタマイズを施している場合は、アップグレード後に予期しない問題が生じた時に対応できるよう、あらかじめ復元手順を確認することをお勧めします。

③ テスト環境での検証

アップグレード作業は、本番環境でいきなり行うとリスクが高まります。まずはテスト用の環境で、動作確認を行いましょう。

テスト環境の準備がない場合は、新規に構築することを検討します。

Movable Typeをアップグレードするための基本ステップ

ここでは、実際にアップグレードを進める際の一般的な流れを紹介します。あらかじめ全体像を把握しておくことで、手戻りや作業ミスを防げます。

ステップ1|ディレクトリ名の切り替え

旧バージョンのディレクトリをリネームして、切り戻し用のバックアップとして保管します。例えば、「mt」を「mt_backup」に変更してください。

ステップ2|最新版のアップロード

Six Apart公式サイトから最新版のMovable Typeをダウンロードします。次に、ダウンロードしたファイルをローカル環境で解凍し、展開されたファイル一式をサーバーの新ディレクトリとしてアップロードします。

例えば、ディレクトリ名を「mt」としていた場合は、同じディレクトリ名としてください。

ステップ3|設定ファイル・テンプレート・プラグインの移行

mt-config.cgi、サードパーティ製のプラグインなどのカスタマイズ部分を新ディレクトリへコピーします。

ここで重要なのは、古いバージョンのファイルをすべて無条件に上書きしないことです。予期しないエラーや不具合を防ぐため、一度にすべてを上書きするのではなく、段階的に検証しながら進めることをお勧めします。

ステップ4|アップグレードスクリプトの実行

ブラウザからmt.cgiにアクセスすると、自動的にアップグレードウィザードが起動します。

ウィザードが自動的にデータベースをアップグレード前のバージョンから新バージョン用に変換してくれます。データベース更新が完了し、管理画面が正常に表示されれば、アップグレードは成功です。

ステップ5|動作確認と本番反映

テスト環境で問題がないことを確認できたら、本番環境でも同じ手順で反映を行います。

この作業中に、公開サイトに影響がある場合は、メンテナンス画面の表示なども検討が必要です。

公開サイトに影響することなくアップグレードを実施したい場合は、cherry-pickの「Uploader for Movable Type」を使い、ステージング環境を構築しておくことで、公開サイトに影響なく、アップグレードが可能です。

IP制限などアクセス制限により一般からのアクセスを制限することで、アップグレードも急がず安全に実施できます。

アップグレード後に確認しておきたいポイント

アップグレードが完了しても、最終チェックを怠ると思わぬ不具合が発生することがあります。以下の項目をチェックし、安定稼働を確認しましょう。

・管理画面のログイン可否 ・日時指定公開機能などcron実行の確認 ・プラグインの動作・互換性 ・問い合わせフォームや外部連携機能の確認 ・ページレイアウトの崩れ、表示速度の変化

まとめ

Movable Typeのアップグレードは、単なるシステム更新ではなく、企業の信頼とブランド価値を守るためのメンテナンス作業です。

本記事で紹介した手順を踏めば、リスクを最小化しながら安心してアップグレードに進められます。

「何から始めればいいのかわからない」「更新作業に不安がある」といった、Movable Typeの構築・運用・保守に関するお悩みは、

ぜひcherry-pickにご相談ください。詳しくは、お気軽にお問い合わせください。

cherry-pickについて

これまでに2,000件以上のMovable Type構築実績を持つ当社が、豊富なノウハウを活かして質の高いサポートを提供いたします。

また、他社で構築されたMovable Typeサイトの運用・保守にも対応しております。

専門スタッフが現状を丁寧にヒアリングし、安心して運用を続けられる環境づくりをサポートいたします。